高血圧

高血圧

高血圧とは

高血圧症とは、少なくとも2回以上の異なる機会で測定した血圧が一定の基準よりも高い状態のことを指します。血圧には“上”と“下”の2つの数値がありますが、“上”は心臓が収縮して血液を送り出したときの「収縮期血圧」、“下”は心臓が拡張したときの「拡張期血圧」のことです。

ついつい“上”の血圧だけを気にしがちですが、若い方ほど“下”の血圧が高いことは心血管の重篤な病気につながる危険性があります。自宅で測定した血圧が、上が135mmHg以上、または下が85mmHg以上であれば高血圧と診断されます。

症状

高血圧では自覚症状に乏しく、高血圧が原因でふらつきや頭痛、吐き気、胸痛などが起きているときは命に関わる重篤な病気が引き起こされれている可能性があります。

そのため高血圧は自覚症状がほとんどないまま進行し、命を脅かす「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」と呼ばれています。

高血圧により引き起こされる病気

血圧は常に一定ではなく、季節では勿論、一日の間でも変動しストレス、喫煙、運動などで血圧が上昇する傾向があります。

悪性高血圧

身体が高血圧そのものに耐えることができない状態のことで、急いで治療を開始しないと脳浮腫やくも膜下出血、急性大動脈解離や急性心不全・腎不全など致命的な状況に陥ることもあります。

動脈硬化

高血圧状態が長期的に続くと血管の壁が傷つくことで硬く厚くなっていきます。これが動脈硬化という状態で年齢と共に進行することは避けられませんが、治療を行うことで予防や進行を抑えることが可能です。動脈硬化の進行により壁は硬く狭くなっていくため、高血圧もさらに増悪し細くなった先への血流が悪くなることで下の表のような臓器障害も引き起こします。

高血圧と引き起こされる病気

影響を受ける臓器引き起こされる病気
脳梗塞・脳出血・くも膜下出血
高血圧網膜症(視力低下・眼底出血)
心臓狭心症・心筋梗塞・心不全・心肥大・不整脈
大動脈大動脈瘤・急性大動脈解離
腎臓腎硬化症・腎不全
末梢動脈閉塞性動脈硬化症(冷汗・痺れ・痛み・壊死)

血圧の目標値

年齢やかかっている病気家庭血圧
75歳未満125/75mmHg未満
75歳以上135/85mmHg未満
糖尿病125/75mmHg未満
慢性腎臓病125/75mmHg未満(目安)
脳や心臓の病気125/75mmHg未満(目安)

原因

高血圧は2種類あり、それぞれで原因が異なります。

本態性高血圧

原因がはっきりしないもので、高血圧症の大半が該当します。遺伝的なものや生活習慣などが関与しており、原因として以下のものが考えられています。

  • 喫煙、過剰な飲酒
  • 精神的なストレス、睡眠不足
  • 塩分摂取過多、野菜や果物不足
  • 運動不足、肥満
  • 自律神経の調節異常

二次性高血圧

副腎や腎臓、甲状腺などの特定の病気が原因で高血圧になっているもので、10人に1人くらいの頻度とされています。降圧剤だけでは高血圧の治療が困難で、原因となっている病気に対する治療を行うことで高血圧の改善が期待されます。

治療

高血圧、特に本態性高血圧の治療は生活習慣の改善と薬物治療を組み合わせて行います。血圧の目標値はガイドラインでは以下の表のようになっています。

一般的に薬物治療は病気の治療や病状の進行を抑える目的で行いますが、脳卒中や心筋梗塞などの大病を予防することが目的であることも大切です。そのため当院では、最初はしっかり薬物治療を行いつつ、食生活の見直しや運動の習慣化などを行い生活習慣の改善に取り組み、お薬の必要性を減らしていくことが目標になります。血圧は季節の変化によっては勿論、一日の間でもそのときの気分・状況によっても大きく変動するため、御家庭での血圧測定結果を基にお薬の用法用量を決めることが最も適切だと考えられます。

薬物療法

血管拡張薬や利尿薬、血圧を上げる作用があるホルモンに働きかける薬などを状態に応じて組み合わせて行います。

生活習慣の改善

禁煙、減塩、運動、適正体重の維持、節酒があげられます。詳細は生活習慣の改善について(リンクお願いします)を御覧ください。

定期的に自宅で血圧を測定して血圧の状況を確認し、季節や体調などに応じて内服薬の調整を行いましょう。

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診療時間

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(検査など予約制)
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